うえつふみ と 古事記

ウエツフミ ト コシキ

  


うえつふみ 一のつづり

〇三 はじまり3


おゝちかむいざなぎの萬まかゝぼろし ちくぬねこいづの一たてかむいざなみ の萬
こゝにあまつ一もろゝゝのみこともて いざなぎの萬いざなみの萬ふたはしら の一にこれのたゝよゑるくにをつくり かためなせとのりこちてあまのぬほこ をたまイてことよさしたまイきかれふ たはしらの一あめのうきはしにたゝし てそのぬほこをさしおろしてかきたま ゑばしをこウろゝゝゝにかきなしてひ

きあげたまウときにそのほこのはがみ よりしたたりおつのしをこりつもりて しまとなるこれをおのごろしまといウ そのしまにあもりましてあめのみはし らをみたてやひろどのをみたてゝこれ のとぬちにそのいもいざなみの萬にな がみハいかになれるとゝイたまエばあ がみハなりゝゝてなりあわざるところ ひとゝころありとまをすいざなぎの萬 のりたまイつらくあがみハなりゝゝて なりあまれるとことひとゝころありか
            〇三

大地神いざなぎの命、マカカボロシ
チクヌネコ厳之神立神いざなみ
の命。
ここに天津神諸々の命もて
いざなぎの命、いざなみの命、二柱
の神に、「此れの漂える国を創り
固めなせ。」と宣りこちて天のヌ矛
を賜いて、言よさし給いき。故れ二
柱の神、天の浮橋に立たし
て、そのヌ矛を挿し下ろして掻き給
えば、潮コウロヽヽヽに掻きなして引

き上げ給う時に、その矛の端上
より滴り落つの潮、凝り積りて
島となる。此れを自凝ろ島と言う。
その島に天降りまして天の御柱
を御立て、八尋殿を御建てて、此れ
の殿内にその妹いざなみの命に、「汝
が身は如何に成れる。」と言い給えば、「吾
が身は成り/\て成りあわざる処、
一所あり。」と申す。いざなぎの命
宣給いつらく、「吾が身は成り/\て
成り余れる処一所あり。故
(古事記)
次に伊邪那岐神、次に妹伊邪那美神。
  上の件の国之常立神以下、伊邪那美神以前を、并せて神世七代と稱ふ。
  上の二柱の獨神はおのおの一代と云う。次に雙える十神は各二神を合せて一代と云う

是に天つ神、諸の命以ちて、
伊邪那岐命、伊邪那美命、二柱
の神に、「是の多陀用弊流国を修め理り
固め成せ。」と詔りて、天の沼矛
を賜ひて、言依さし賜ひき。故、二
柱の神、天の浮橋に立たし
て、其の沼矛を指し下ろして画きたま
へば、塩許々袁々呂々に画き鳴して引

き上げたまふ時、其の矛の末
より垂り落つる塩、累なり積もりて
島と成りき。是れ、淤能碁呂島なり。
其の島に天降り坐して、天の御柱
を見立て、八尋殿を見立てたまひき。是に
其の妹伊邪那美命に問曰ひたまひけらく、「汝
が身は如何にか成れる。」ととひたまへば、「吾
が身は、成り成りて成り合はざる処
一処あり。」と答白へたまひき。爾に伊邪那岐命
詔りたまひけらく、「我が身は、成り成りて
成り余れる処一処あり。故
コメント欄
 古事記では、国之常立神以下、伊邪那美神以前を、七代。上つ文では十三代(数え方による)。
 (古事記の対応ページ)











(古事記の対応ページ)

国立国会図書館デジタルコレクション
 ウエツフミ 第1・2のコマ番号35

上紀
 第1章  開闢

うえつふみ 一のつづり 〇三
はじまり3

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